「うん。聞いた。もしかして……いや、もしかしなくても、私のせいだよね。本当に、ごめ……」
「ごめん、なんて言わないでくださいよ。私、安井さんのせいで別れたわけじゃないです。そりゃあ、安井さんにどうしてあんなこと言われんとあかんの?って最初は思いましたけど、でも、実際、そうやって先のこと考える人と考えない人といるわけですし、それに、難波さんといると緊張するんですよね。正直、素の私なんてひとつも出せてなかったです。だから、遅かれ早かれこうなってたと思います」
ごめん、と言いかけた私の言葉を遮り、松井ちゃんがそう言った。
「でも、本当に勝手なこと言ったのは事実だし、謝っても気がすまない。本当にごめんね。松井ちゃんは若いし、まだまだ先があるのに難波を幸せにして欲しいやなんて私の我儘押し付けて、本当に本当にごめん」
本当に、今思えばあれは私の勝手な我儘でしかなかった。
確かに、松井ちゃんに難波との仲を取り持って欲しいと頼まれた。だけど、松井ちゃんは難波と結婚したいと言ったわけでも何でもない。それなのに、私は難波が再婚をしてまた幸せになるように、と、勝手な事を思いながら二人をご飯に行かせた。
難波が松井ちゃんのことを真剣に考えているのを嬉しく思ったり、嫌だと思ったり。勝手すぎる感情のままに、松井ちゃんと難波の関係を私の手で壊してしまった。

