「ちょっと、めっちゃ飲んでますよね」
「えー? まだまだよ。まだいけるわ。あ、あそこ!いいとこに居酒屋あるじゃない。ほら、せっかく偶然の再会できた事だしあそこ行かない?」
秋加が私の行こうとしていたいつもの居酒屋を指差した。
「いや、もう飲まない方がいいんじゃ……」
「何言ってんのよ、飲むわよ。まだいけるって言ってるでしょ。ほら、早く」
「え、ちょっと!」
私は、秋加に半ば無理矢理に手を引っ張られ、居酒屋の中へと入った。
テーブルに向き合うようにして腰をかけると、二人して生ビールと適当なつまみを頼んだ。
「いつもこんなになるまで飲んでるんですか」
「そんなわけないじゃない。今日は偶々よ」
瞼を少し伏せ、切なそうな表情をした秋加が、中身のなくなった枝豆の皮をからのお皿に放った。
「何かあったんですか」
言わずとも何かある事は分かった。分かっていたし、まだ出会って日も浅いのにプライベートなことに首をつっこむのはどうかと思ったけれど、私は敢えて聞いてみた。
これは勝手な解釈かもしれないが、秋加の瞳が、話を聞いて欲しいと言っているようにも見えたのだ。

