テーブルの上に顔を伏せた。そんな私の頭を、難波の指がつんつんと突いてくる。
「なんや、ここまで頑張ってきたのに諦めるんか?」
「だって……難波知ってるやん。私が全然料理出来へんこと」
ゆっくり顔を上げて難波を見た。難波は、優しい表情で私の事を見ていた。
「確かにな。前に、家でご飯作ってもろた時は、何やこれ、ってつい口に出るくらいには驚いた。でも、ほんまに料理は出来んより出来たほうがええで。正直、女としては重要な部分やと思う。女やから料理出来んとあかんっちゅうのは差別的かも分からんけど、でも、そこを基準にする男もようさんおんねん」
「……うん」
「料理出来んくたって、お前はええやつや。それは知ってる。でも、それを知らん他の奴らにもアピールしていく必要があるやろ? せやから、料理頑張って、お昼ご飯はお弁当作ってこい。これは、最後から二番目の作戦内容」
頑張れ、と難波が私に笑いかけた。私は、渋々首を縦に振り、最後から二番目だという作戦を実行することになった。

