「ええっ⁉︎ 安井さん⁉︎」

「安井さん、どうしたん!」

「え、ほんまに安井さんなん⁉︎」


 ───大きなイメチェンをした2日後の月曜日。いつものように会社へと通勤した私の周りには、軽く人だかりのようなものが出来ていた。


「安井さん、断然そっちの方がいいよ」

「安井、そっちの方が女の子らしくていいと思うわ」

 そう立て続けに褒めてくれる男性社員に、少しばかり気を良くしていた私。しかし、周りには反対意見も少数ながらあった。

「ええー。私、前の方が格好いい女性って感じで好きでした」

「前の方が綺麗で素敵でしたよ」

 なんて、こんな声も聞こえてくる。

 不思議なことに、そんな意見を発しているのは女性だけ。男性社員は、十割が私の今の姿。ビフォーよりアフターを支持している。

「安井さん!」

「あ、松井ちゃん。おはよう」

 人混みを掻き分けて私のところへとやって来た松井ちゃん。彼女は、私の目の前にいた男性社員を押しのけると私を見て大きく目を見開いた。

「わぁ、本当に安井さんが劇的にイメチェンしてる!」

 目をキラキラと輝かせると、彼女は何故か拍手をし出した。