「まぁ、いいわ。これから私がメイクしながらレクチャーしてあげる。だから、明日から実践して。そうしたら絶対、明菜ちゃん結婚できるから」
「ほんまですか。それなら、是非ともお願いします。早くしてください」
「図にのるな」
「はい。すいません」
早くも良い感じでボケとツッコミが成立しそうな私と秋加。
秋加は私の肌を化粧水などで整えると、下地を塗りはじめた。いつも下地を塗りたくっている私と違い、さらっと軽く塗る秋加。秋加は下地を塗り終えると眉を描き、シャドウを手に取った。
「結婚したいと思わせる女ってのは、ふんわりした素材感のある女の子。ちょっと抜けてて地味なくらいの方が良いの」
「はい。それ、難波も言うてました。実際に元彼がそうやったんですよ。私と別れたあとすぐにそういう女の子と結婚しました」
長く付き合った私より、私と付き合っている間に好きになったという出会って間もないはずの女の子の方へと去っていった。
長く一緒にいて「自慢の彼女」だと言った私ではなく、会って間もない冴えない女の子の方へと。
「実は女ってね、出来る子は損するようにできてんじゃないかなって私思うのよ」
「え?」

