「え、ちょっとちょっと、明菜ちゃん。そこじゃないでしょう。何? そのリアクションは」
きっと、華のような高校生活をエンジョイしてきたのであろう難波に、妙な嫉妬心を覚える私。そんな私の事を、目の前にいる彼女は驚いたような表情で見ていた。
「何よ、ちょっと郁人に気があるのか確かめようと思って言ったのに。まさか、明菜ちゃん、郁人に気がないの?」
「え? 気? えっと……難波の元カノさん、気、って何の気の事を言うてはるんですか」
難波の元カノさんが聞きたいことは、残念ながらさっぱり分からなかった。
「ちょっと。確かに元カノではあるけどその呼び方やめて。私は、榎本秋加(エノモトシュウカ)。同い年だし秋加って呼んでね。あと〝気〟って言えばあの〝気〟しかないでしょうよ。恋愛対象として見るって意味の〝気〟よ」
若干キレ気味なのか、早口でそう言った彼女。私は、彼女の名前を脳内にインプットし、それから〝気〟について、ああ、そういうことか。と納得をした。
「なるほど……恋愛対象、ですか。正直なところ、一ミリも考えた事も無かったんで、今自分、めっちゃびっくりしてるんですけど、どうしたらいいですかね」

