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 その後。

 ユウは、ノリチャンに懇切丁寧ご指導を賜っていた。

 ユウとしては、ノリチャンにカッコイイところこそ見せられなかったものの、ノリチャンに個人的に気に掛けて頂けたような疑似体験ができたため、とても満足したようだ。


 まぁ、いい。

 本人が満足なら、なんだって。


 そんなことを考えつつ、学食できつねうどんを手に、ユウが先に取っているはずの席を探す。



「コウ、こっちこっち!」

「あぁ、悪い」



 ユウの前にいくと、ウキウキの様子で大人気のオムライス定食がデデーンと鎮座している。

 毎度思うが、オムライス定食って、どちらかといえば女子メニューだよな。

 いや、偏見かもしれないが、オムライスって、オムライスって、うーん……。



「どうした、コウ? うどん、のびるぞ?」

「あぁ、そうだな」



 ユウに急かされ、のびはじめていたうどんを食べ始める。



「しっかし、コウ。うどんなんかで、力でるの?」

「何、改めて言ってんだ?」

「いや、今日だってさ。物理の問を間違えてたし、それに」

「?」



 そう言って、ユウは少し沈黙したのち、おもむろに言葉を紡ぐ。

 その声は、いつもと違ってひどく真面目な響きを奏でていた。



「コウ、ここ1、2ヶ月ボーッとしているし」

「……」

「アイツ、やっぱり気になる?」

「…………」



 そう言って、ユウはひとりサンドイッチを食べている天瀬をそっと見つめる。