俺達に運命なんて美しい言葉は無かった


「ねぇ、明日も明後日も一緒に居てくれる?」
不安げな顔を覗かせてくる彼女の瞳には涙が浮かんでいる。
・・・ああ、泣かないでよ。俺だって居てあげたい。一緒に居たいさ・・・
「・・・あとは社長の問題だな。俺らをどう思うのか。今後の事とか」

やめてよ と冷たい言葉が俺に向かって発せられる。
ソファーで蹲って必死に涙を堪える彼女の背中は震えていて・・・

ごめんな。お前のために、俺は離れなきゃならないんだ。賢いお前ならその判断が正解って分かるだろ?
最後の挨拶になるかのように
ー彼女の頭を優しくなでたー