机が敷き詰められた教室。



中からは鉛筆やシャーペンで文字を書く音が聞こえる。

そして、先生がみんなに話しかける声。



私はそれを入り口の扉の前で、静かに聞いていた。



なんで寝坊なんかしちゃったんだろう。



後悔をしながらも、入るために深呼吸をしていた。





「……遅れてすみません。」




扉を開けて、中に入ると皆の視線が一気に私に集まる。


先生は明るく笑って「次は遅れるなよー。」と声をかけた。


私は苦笑いを浮かべながら席に向かう。