ひとつの想い


「っはぁー…ぎりぎり間に合ってよかったねぇ」

「ほんとにね…」

あのあとダッシュで教室に駆け込んだ私たちは無事遅刻にはならず出席を受けられた。

「だから急げって言ったろ」

亜衣を見下ろすように慧君は笑った。

「なによう~!慧だってのんびりはなしてたじゃん~」

そうやってふてくされるように亜衣はほほを膨らませた。
そんな二人が面白くて、またしても笑いがこみあげてくる。

「でもほんと初と一緒で嬉しいよ~!」

「私もだよ!」

「だって二年生は遠足でしょ、体育祭でしょ、文化祭もあるし、修学旅行とかね!もー、今からめっちゃ楽しみだわ~」

指を折り曲げながらキラキラした目で嬉しそうに数え始める。
そんな亜衣を微笑ましそうに慧君は見ていた。

いつか私にもそんな人が出来たらなぁ、なんて心の中でこっそり思ってみた。