ひとつの想い


二人でくすくす笑っていると、慧君が呆れたように亜衣の手を引っ張り、

「亜衣、そろそろいかないと」

「お?もうそんな時間?」

確かに時計は8時32分とちょっとぎりぎりだった。

「慧君は何組なの?」

ふと思った疑問をぶつける。
すると二人は顔を見合わせてきょとんとした。

「あれ…?言ってなかったっけ…?」

「うん?」

「おれも同じクラスだよ~、改めてよろしくね」

んん!?
ということはほんとにほんとにこのメンバーで同じクラスになったんだ!
私もすごく嬉しいけど、なにより亜衣が嬉しそうでよかったな。と思う。

できすぎた作り話みたいだけど、それでも良かった。
ただ純粋に嬉しかったから。


キーンコーンカーンコーン…

本鈴が鳴る。

「やっばい、初、いそぐよ!!」

下駄箱にいた私たちはいそいで教室への階段を駆け上った。