「ゆみちゃん、はい、」

「ありがとう」

ゆみと呼ばれた女性はにっこりと笑って受け取った。

茶髪の男性は爽やかに笑うと彼女と一緒に祭の人混みを歩く。


その周囲では、ゆみと同じく浴衣を着た女の子達が遠巻きにしながら何やら語りあっていた。

良く見れば、涙を流している女の子までいる。

しかし、そんな事に気付かない二人は仲むつまじく歩いていた。