「ごめん理央、電車の中で寝ちまった」


と彼は言い訳をした。


彼の髪からはシャンプーの匂いもする。


私は彼に抱きついた腕を離した。


「・・お腹空いたでしょ?すぐ用意するから」


疑惑を振り払うように私は明るく彼に聞いた。


「いや、寝てから食べるよ。ごめん」


と彼はベッドの中に入ってしまった。


そしてすぐ寝息が聞こえた。


この時の私の心境。


とても重たかった。