「俺さ、オペしても手遅れな人もオペしなくちゃならない時があるんだ」


と智也は掠れたような声で言った。


なにやらシリアスな雰囲気がスマホから伝わってくる。


「オペして死なれるのって、何回経験しても慣れない」


ゴクンと液体を飲み込む音が聞こえる。


「酔ってるのね?」


と私は優しく聞いた。


「ああ。だから会いたいなんて駄々こねてる」


と智也は答えた。


「私は智也がどこにいるのかわからない」


「俺も理央がどこに住んでるのかわからない」


二人の間に沈黙が流れた。


「・・俺は東京に住んでる」


と智也が口を切った。


「私は埼玉よ。○○公園」


「マジ?」


と智也の微かに驚いた声。


「智也はどこ?」


「今、池袋で飲んでる」


私は驚いた。池袋は○○公園から電車で20分位で行ける。


「今から・・行こうか・・?」


と私の口は動いた。