優しい大地とお兄ちゃん






誰もいない屋上。

私は、ポツリ、ポツリと話し始めた。



「私・・好きな人がいて・・」


「・・・」


「その人、彼女がいて・・・」


「・・・」



大地は黙って、私の話を聞いてくれた。



「・・・お兄ちゃんなの」


「・・え?・・・は?」


「私・・・お兄ちゃんが好きなの・・」



言っちゃった・・。

今まで、誰にも話さなかったのに。


私の好きな人を聞いて、大地は戸惑っているようだった。


・・あたりまえか。

お兄ちゃんが好きだなんて聞いたら、そりゃビックリだよね・・。



「だって、お前・・・」


「血は、繋がってないの」


「え?」


「小学生の時、親が再婚して・・お兄ちゃんは、相手の連れ子なの・・・」


「・・・そうか」



大地は、納得したように、呟いた。


それから、沈黙が続いた。

大地は、何か考えているようだった。

私は、大地に話して、少しスッキリした。

今まで、誰にも話さず、一人心にしまい込んでいたから。


雲がゆっくり流れ、時間もゆっくりに感じた。



「なあ、さくら・・」



しばらくして、大地が小さく言った。



「ん?」


「・・俺と、付き合ってみない?」


「え?」



大地の言葉に、ビックリして、私は大地を見た。

大地は真剣な顔をしていた。



「俺・・お前のこと、好き」


「・・え?」


「さくらがお兄さんのこと、好きなのはわかった。だけど、お兄さんには、彼女がいるし、近くで見てるだけなんて、そんなのお前が辛いだけだろ?」


「・・・」


「俺のこと、好きにならなくていい・・また、さくらが好きな人ができるまででいいから・・俺がお前を支えてやりたい・・だから、俺と付き合って?」



・・何言ってるの?

そんなの、大地が辛いだけじゃない・・。

大地を利用するだけじゃない。

そんな酷いこと、できないよ・・。