その日の夜ー。

「兄さん!さっきの人、カレン様でしょう!それに、何ですかあれは!」

レンは俺を問い詰めた。

「…」

無言で横を通り過ぎる。

「兄さん!!」

俺は無言で扉を閉めた。

「兄さん…」

レンの声が長く冷たい廊下に静かに響いた。