「リンカ様、アルゼンタム様着きました。」

馬車の扉が開き、馬車の操縦者がそう告げる

馬車を降りて、目の前にあったのは沢山の岩に囲まれた大きな鉄の扉だった

「リンカ様行きましょう」

アルがそう告げ、手を差し伸べた。

「は、はい」

少し緊張気味にアルの手を取り扉の前まで来た

アルを横目で見つめる

『この前は急に身長が高くなってびっくりしたけど、今は私と変わらない身長。
本当不思議な人』

アルをじっと見ているとアルは少し困った様に笑い

「どうかなさいましたか?」

私にそう告げた

「い、いいえ」

静かに頭を横に振り、下を向いた

「リンカ様」

アルに急に呼ばれ上を向いた瞬間、

チュっと唇が小さな音を立てた

「えっ」

何が起きたか分からず、固まっていると、アルは笑い

「えっ、なんて可愛いですね。キスしただけなのに。」

キスという言葉を聞いた瞬間、顔が熱くなる

するとアルが隣で少し笑い、その瞬間、あの時の様にアルの身体が緑色の風に包まれたかと思うと、再び彼の身体が大きくなった