バチィ

鈍い音がして、閉じていた目を静かに開く

目の前に居たのは、私をここへ連れて来た少年だった

「キミは...」

私がそう呟くと少年はこちらを向いて少し笑った

「困ったお姫様だ」

彼はすぐに前を向く。彼は、防御壁を使って私を守ってくれていた

彼の顔を見ていると、どんどん顔が青白くなっていくのが見えた

そして、彼の服が風で舞い上がった時、背中の辺りに小さな矢傷があるのに気が付いた。その瞬間、頭が割れる様な頭痛に襲われた

「チッ、やっぱりこの姿じゃ防ぎ切れない。仕方ないな」

彼は私の方を向いて

「姫様、ごめん。ちょっと」

そう言って彼は私を引き寄せて、少し悲しそうな顔をした

『えっ?この光景って』

彼の顔が静かに近づいて来て、私は吸い込まれる様にキスをした