彼は目を見開いた。

始め見た時は、亜鬼が見せる幻かと錯覚した。

ここはとある山中。
竹や木が生い茂り、柔らかい緑の光が揺れている。

獣道の先に巨大な古木がそびえていた。

その古木の幹には、ぽっかりと大きな穴が出来ていた。









その穴にすっぽりと収まる様に少女が丸まって眠っていた。


















「......?」

彼は驚きに言葉が出なかった。