うぬぬ……………と心の中で明野さんを恨む。
なんて、勝手に人のせいにするサイテーな私。
はぁぁぁぁーーっと1人ため息をつく。
見たくないもの見せられたし。
………………見る必要のないもの見せられちゃったし?
あんなの、思い出すだけで恥ずかしいよ。
さっきの光景が鮮明に蘇ってきて、思わず顔がかぁっと熱くなる。
同居1日目なのに、不安でいっぱいだし…………。
床にぺたんと座り込み、がっくりとうなだれていると。
“ガチャッ”
「うわっ」
「ひゃぁっ!」
―――――――黒瀬のばーか。
「びっくりした。」
「それ、こっちのセリフ。」
若干濡れた黒髪をわしゃっとかき上げながら、黒瀬は目を逸らしながらつぶやく。
うっわ、さり気ないお色気攻撃。
……………すんごいドキドキする。
「お、ふろ入ってくる………から…………」
「ん。」
黒瀬は、螺旋階段の方へと消えていく。
あーもう、心臓はち切れるかと思った。
どんだけドキドキさせれば気が済むわけ。
っていうか、なんでドキドキしてんだ、私。
あいつのせいで、調子狂ってばっかりだよ。
鳴りやまぬ鼓動を落ち着かせながら、またそうっとバスルームの扉を開けるのだった。

