相変わらず、黒瀬は倒れたまま拳を硬く握りしめているだけ。
なんか…………笑える。
「最悪。地味に痛ぇし。」
「はは。ざまみろ。」
「……お前、やっぱり性格悪いな。」
「何、今気づいたの?」
……………私は優里さんを強く尊敬するよ。
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「春歌お嬢様ー!お風呂はどうされますかー!」
「あ、はい!」
お風呂かぁ…………。
こんな豪邸のお風呂なんだし、相当豪華なんだろうな。
………少しだけ楽しみかも。
私は、着替えを持って部屋を出た。
まだ慣れない螺旋階段を一段一段降りていく。
Bathroom(バスルーム)と書かれた扉をそうっと開けると。
「…………いぎゃぁあっ!」
「…………うわっ!」
―――――なんでいつもこうツイてないのー!?
脱衣所には、上半身裸の黒瀬。
ボディソープの柔らかい香りがふんわりと漂うなか、濡れた黒髪をタオルで拭くその姿は、無条件にドキッとさせる。
普段とは違う色っぽい黒瀬に、私の脳内は狂いっぱなし。
だだだだだって、だ、だだ男子の、は…裸なんてっ。
見たことないしっ!
「……………っあんま見んなよ。」
「…………………あっ、ごごめん!」
は、恥ずかしい……………。
私は慌てて扉を閉めた。
……………明野さん、仕組んだ?
だって、普通完全に上がってから呼ぶでしょ!

