ただ逢いたくて

「お帰りなさいませ。お嬢様。」

そう、私はいいとこの娘。

「ただいま。お父様はどちらに?」

「書斎にございます。」

書斎に向かう。

何を言われるか、そんなことは検討ついているから、そんなに緊張したりしない。

コンコン…

静かにノックする。

「入れ。」

どうやら、本当に書斎にいるようだ。

「失礼します。

ただ今戻りました。お父様。」

「あぁ。さっそくだが、お前に縁談の話が来た。」

だろうな。それくらいは予想していた。

しかし、次の言葉は予想外のものとなる。

「相手は城条(キジョウ)

式は、1週間後。準備しておけ。」

「はい。失礼します。」

ガチャン。

静かに扉を閉める。

城条……か。

式は1週間後。

つまり、1週間後に顔合わせのためにお見合いをしてその場で婚姻届を書かせ、出す。ということか。

「誠司(セイジ)……

どういうつもり?……………」