「…オイ、起きろよっ!」 頬を平手で叩かれて、うっすらと目を開けた。 「いつまで、寝てやがる……」 忌々しげに口にする、私の前に立つ男ーー それは、シュウだった。 「シュウ…あなた…」 「いつまでも、気ぃ失ってんじゃねぇよ…」 シュウが、わざとらしく顔を近づけてきて、口の端で笑った。 「なんで…こんなこと……」 私は、どこかの廃屋らしい場所で、イスに座らされ、後ろ手に手首を縛られていた。