ーーキリトと会った日から、数週間程が過ぎた夜に、 「尾崎、ちょっと来い」 と、編集長に手招きをされた。 編集部内は人が出払っていて誰もおらず、私がデスクに近づくと、 「こないだのことだが……」 と、話を振られた。 「はい…」 「……ヴォーカルの彼の受け入れ先が、決まるかもしれない…」 編集長の言葉に、思わず「本当ですか?!」と、大きな声が出た。