……キリトに、会いたいと思った。


だけど、会って何を話したらいいのかもわからなくて、

ましてその場しのぎな言葉なんかをかけたところで、何の解決にもならない気がした。


「キリト……」

彼の連絡先に目を落としたまま、どうしていいかわからずに立ちすくんでいると、

不意に何処かから、歌声が切れ切れに聴こえてきた。


「……誰か、歌ってる…」


声に誘われるように、路地裏の道に入った。