二度目の取材は、撮影スタジオを貸し切ってのもので、バンドメンバー全員が揃い、

前回とは明らかに違う大勢の人数が集まっていて、彼らが短期間でいかに有名になったかがわかった。


私にも編集長自らが同行し、売れ筋をひた走り始めた彼らとなんとかつながりを持って、今後へのつなぎを取り付けていこうともしていた。


写真撮影の合間に、取材をする。


「…今日は、よろしくお願いします」


「よろしく~」三者が三様に応える中、

ヴォーカルの彼だけがちょっと遅れて、

「ああ…」

とだけ、声を発した。


その対応に、(売れても、相変わらずなんだ…)と、思わずにはいられなかった……。