ーーあの深夜番組以来、いろいろなメディアで、Kirを見かけるようになった。


見た目のインパクトと、ヴォーカルのあの男を含めた美形揃いのそのバンドは、動画などで取り上げられることも増えて、

人気にどうやら火がついてきたらしく、徐々に彼らはメジャーなバンドにもなりつつあった。


「尾崎! おまえ、あのバンドにもう一度リベンジしてみるか?」


そんな折り、高岡編集長からそう話を振られて、

「はい! もちろんです!」


と、私は二つ返事で引き受けた。