「……ねぇ、聞いてんの?」

と、体を軽く小突かれた。

「なんとか言いなよ…?」

女の子たちは口々に言って、取り囲んで、

「……ファンの調和を、アンタひとりで、乱さないでくれる…?」

距離を縮め、輪を狭めてきた。


「……キリトは、みんなのものなんだからね……」

「そうだよ……キリトは、誰のものにも、ならないんだから……」

「……そのために、私たちが見守ってるんだから……」

「そう……特定の人なんかが、絶対に近寄らないように……」


女の子たちは、揃ってクスクスと笑って、

「……だから、近づかないでよ…私たちのキリトに……」

と、取り囲んでいる全員が、じっと私を見つめた。


その視線には恐さすら感じて、身体に震えが走るようだった。