「……それでは、次はキールの皆さんに、歌っていただきましょう!」


歌番組が始まってしばらくして、キリトたちの出番になった。

その日の彼らは、ヒット曲の『蒼の葬列』を歌うため、全員が曲のイメージに合わせた青い衣裳を身に着けていた。


キリトは、ブルーグレーの裾の長いロングスーツに、

二つ釦のブルーのベストがマッチしていて、まるで王子様のような美麗な雰囲気があった。


だけど、その手には真新しい包帯が巻かれていて、ギュッと心臓をわしづかみされるようにも感じた。

画面の中の彼から目を離せずにいると、曲が流れ出した。


ーーレクイエム調の『蒼の葬列』は、厳かなパイプオルガンのイントロから始まる。

前奏が過ぎ、キリトが歌い出すと、その声は切なく澄んで、胸に響いたーー。