「おい、尾崎(おざき)! このバンドの取材、おまえが行ってこい!」


編集長から大声で名指しされて、急いでデスクに駆け出していく。


「どのバンドですか?」

「…これだ。まだデビューしたてで、人気はこれからだから、半ページ程度の扱いでいい」


渡された短い紹介資料に、目を走らせる。



バンド名は、『Kir』(キール)ーー見た目ビジュアル系らしい、それは、男性ばかりの4人組だった。