7回目の戦いはあっけなく、そして予想外の結果に終わった。


あたしは運ばれていくあすかを横目で見て、ため息を吐き出した。


まさかあすかが負けるなんて思っていなかった。


「中村君のあの目、見た?」


彩美が小さな声でそう聞いて来た。


「見たよ。なんか突然豹変した感じがしたよね」


あたしは中村君の顔を思い出して身震いをした。


抵抗も攻撃も見せなかった中村君が顔を上げた瞬間、その目は吊り上がり、そして口元は奇妙に歪んでいたのだ。


まるで別人のような顔だった……。


「あれが中村君の本性だったってことだよね」


彩美が言う。


「そうだね……」