先輩は弱くて見守っていないと壊れそうで、社は私しかいないって言う。
でも、私は先輩を好きになる度に想いを断ち切らないといけない。
私は……社をどうしたいんだろうか。
「社、線香花火して帰ろう。あんた帰るの遅くなるよ」
「……あぁ」
社と私は線香花火に火を着けて、横並びになってしゃがんだ。
「俺、まだお前と一緒に居たい」
「また明日学校で会えるじゃん」
「お前、夏休みに入ったら俺と会わないだろ」
「……今日みたいに強引に押し掛けて来たらいいじゃんか」
「……そうする」
パチパチ優しく散る線香花火。
火種がだんだん大きくなって、終わりを告げている。
儚い線香花火を見てあんたは何を思ってるんだろう。
社の顔を盗み見ると、表情が和らいでいた。