自由になりたい、優しさが邪魔して身動きが取れないでいるんだ。


この話を聞いて付き合ってくださいなんて言えない。


優しい人だからもしそうなったとしても、私は強くないし李歩に守って貰ってばかりいるから先輩に辛い思いさせるだけだから。

もっと、自分が強くならないといけない。


「先輩、……今まで悩んで苦しかったんですね……でも、もう泣かないで……」


抱きしめる力を少し強めると、先輩もそれに応えるようにそっと私の腕に触れた。


「……こんなに、好きなのに。僕は弱い……」


「……先輩、私のわがまま聞いてください。……私、先輩に恋するの止めます、その代わりに時々そばに居る事を許してもらえませんか??」


先輩は何も言わず力強く私を抱きしめた。


これはYesって事だよね。


想いを断ち切ってもきっと何度だって、好きになる。


その度に抑えなくちゃいけない、これが弱い私への報いだ。