そんな視線を先輩に向けると悲しそうな笑みを浮かべ

「君が入学式の日に迷っていて泣きそうな顔して困ってたから、最初は助けてあげなくちゃと思って声をかけたんだ。君はありがとうって笑ってさ。今にも泣きそうだった子が凄い可愛い顔で笑うから……抱きしめたくなった。……君の笑顔に恋したんだ」

先輩と同じ瞬間に好きなってたんだ。


「あんな言い方したのは……君の笑顔を守る為だったんだよ」


「私を守る為??……どうゆう意味ですか??」


「……僕は僕なりに彼女の事を守ってると思ってたんだ。でもね、守れてなかった。手の届かない範囲があるんだって思い知らされたよ。1人の子は何も言わず引っ越して行ってしまってどうしてかわからなくて調べたら、僕と付き合ってた事が原因でいじめにあってたみたいなんだ。暴言浴びせられたり、他にも何かされてたみたいでさ。はっきり言われたよ、あんたと付き合うんじゃなかったって。何で、好きになったんだろうって……僕と別れる事、関わらない事で笑顔が守れるなら僕は喜んでそうする ……」

私は先輩を抱きしめていた。


そうせずにはいられなかった。


先輩をこのまま捕まえておかないと、心がどこかへ消えてなくなりそうな気がしたから。


泣いてる先輩を放っておくなんてできないよ。


「そうしないと駄目だと思ってたのに、怪我をしている松下さんを放っておけなかった。……近くで君の笑顔を感じたら、もっとそばに居たいって……僕のわがままで、君が傷つくかもしれないのに……ごめんね……。……家に誘ったのも、もっと君と話したかったからだよ……」