言わせて欲しい、私なんて可愛くないですって。
この家族に挟まれていると自分の容姿の普通さが浮き彫りになる。
この容姿の遺伝元は間違いなく先輩のお母さんだ。
かなりそっくりだもん。
「もう、いいから。また後でね。松下さん行こっか」
「は、はい。すいません、お邪魔します」
私はおばさんと妹さんに会釈した。
「ゆっくりしてってね」
「はい、ありがとうございます」
私は靴を脱いで先輩の後に続いた。
先輩の部屋って私と一緒で物が少ない。
8畳くらいの洋間で左端にベッドが寄せられて、後は32インチのテレビの前に大きめのビーズクッションが2つ並んで、丸い黒の折りたたみ式のテーブルが置いてある。
本棚にはびっしり漫画や小説が出版社別に綺麗に並べられて、いくつか私が持っているのも発見した。

