数日後の帰り道。
告白されてから社との距離は相変わらずで何も変わりはない。
1つあるとすれば、表情が少し柔らかくなった事かな。
それにクラスの皆が気づいていて「何か心境があったのか??」と噂していたけど、人はそんな短期間で変われるはずもなく無愛想、無口は健在だ。
李歩に報告したら、なぜか爆笑してた。
社がそんなセリフ言うなんて想像できないって。
先輩が好きなのにどうしたらいいのか相談すると、「藍実の気持ちが一番なんだから自分に正直にならないと駄目。困った事があれば私はいつでも聞くからね」って言ってくれた。
本当、私にはもったいないくらいの友達です。
今から帰っても暇だし本屋さんに立ち寄る事にした。
最近、湿気が多くて気持ち悪いから汗もかくしこの時期って本当に嫌だ。
本屋さんに入ると涼しい風がふわっと私に降りかかる。
この一瞬って本当に幸せ。
……あれ。
……目の前でそれ以上、比べられないくらいの幸せな事が起こっています。