優しい先輩と俺様と私。





私の発言に驚いて李歩の時が止まってしまっている。


……うそでしょ、図星!?


「バカな事言わないの、藍実。私は社が好きじゃないよ。ただ可愛いって言うだけ。だいたい私のタイプじゃないって事は藍実がよく知ってるでしょ??」


笑って否定する李歩。


そうだ、李歩のタイプって日焼けした色黒のスポーツマンで、童顔の男子。


……早まった考えでした。


それに、好きな人ができたら私に言ってきてくれるはずだもんね。


「……ごめんね」


「謝らなくていいの!!藍実、大丈夫だから笑って。藍実は笑顔でいなくちゃね」


私の両肩にポンと手を置いて、微笑んだ。


「ありがと」


私が今できる精一杯の笑顔を見せると、それでいいんだよって頭をポンポンてしてくれた。