「社!!」


男子が教室の出入り口から呼んでいる。


社は顔を向けるだけで、何も言わない。


「女の先輩が呼んでるぞ!!」


黒板消しを元に戻して、教室から出て行った。


先輩に呼ばれるって事は絶対に告白でしょ。


私は社の席に視線を向けて、しまわれていない椅子の脚をコンコンと蹴った。


あいつ……本当に誰かれ構わず、あんな事してるのかな??


……私の脳内でしばらく教室から出て行く社の後ろ姿の残像が残った。