優しい先輩と俺様と私。






「お前どんくさいんだから掴まってないと落ちるぞ」


「どんくさくないし。私がもし落ちたらあんたの運転が下手なだけでしょ」


痛む鼻をさすって悪態をついた。


「お前ムカつくわ」


「奇遇だね。私もあんたがムカつくよ……」


何だか笑いがこみ上げて来たから、声を出して笑ってしまった。


「何、笑ってんだよ」


声だけで不機嫌さが伝わってくる。


絶対、今怖い顔してるんだろうなぁ。


「だって、ムカつくとか言い合ってんのにこんな事してさ。おかしいでしょ」


「 はぁ……まぁ、いいんじゃねぇの」


「……そうだね」


言い合いしているうちに、いつの間にか家付近まで来ていた。