優しい先輩と俺様と私。




「……野波、俺が悪かった。だからお前まで泣くなよ、頼むから」

俺は野波の頭に手を置いた。

「うるさい。触んな。……醜態さらした。帰る」

「待て待て待て。そんな顔で外に出るな。お前は強い女なんだからそれ貫けよ」

「……あんたに言われると私もまだまだね」

「俺しかお前にこんな事言えねぇだろ?」

「……他の奴だったらぶっ飛ばしてるよ。えらそうに」

「ははっ。ぶっ飛ばさないでくれてありがとな」

「あんた、笑うと目がなくなって可愛い顔すんだね。初めてみた」

「うっせ。それ誉めてんのか?けなしてんのか?」

「どっちもだよ。まだ居座ってやるから飲み物入れてきて」

「了解」