優しい先輩と俺様と私。



「俺、行ってくるわ」

「行くってどこへ!?」

「安未果のとこに決まってんだろ!!」

「あんたさっき私に何て言ったか忘れたの!?それに、行ってどうすんのさ!!話し合いでもすんの?殴ったりしたら本当にあんたから藍美、離れるよ!?それでもいいの!!社!!」

野波が俺の腕を掴んで必死に止めようとするけど、今の俺には敵わない。

「このバカッ!!」

バッシィィーーンッッ!!

野波から平手が飛んできた。

ジワジワと頬に痛みを感じて正気に戻っるけど、これ……痛すぎだろ。

野波は俺の両腕を掴んで

「あんた、目が本気過ぎて怖いよ」

と俺の目を見た。