優しい先輩と俺様と私。




「おい、野波。両手ふさがってっからドア開けろ」

「あー、はいはい」

前のめりになってドアを開ける野波の胸が目に飛び込んで来た。

「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁー!!!!」

「……どうしたの、叫んじゃって」

野波のせいなのにポカーンとしてるし、驚いて叫んでる俺の方がおかしいみたいになってる。

「おま、お前!!服、服を脱ぐな!!着ろ!!」

「はぁ、何言ってんの?汗かいたから羽織ってんの脱いだだけで、着てるし」

「そんな下着みたいな服で、バカか!!」

「……キャミだけど……。だぁぁぁ!!もう、鬱陶しい!!あんたはどこのうぶな女子高生だ!!」

「俺の貸してやるからさっさと着ろ!!隠せ!!」

俺は持っていたお菓子と珈琲を机に置いてクローゼットからTシャツを出して野波に投げた。

「うわ!顔に投げなるな!ったく、あんたそんなんでどうすんの?」

「うるさい」

でこ丸もオフショル着て肩出してるし、目のやり場に困るのにこの二人は何考えてんだよ。