「や、やめろ!!ってか、冷静に考えたらお前が男に絡まれるとかありえねぇわ。しつこかったら自分でぶっ飛ばしてるもんな!!」

「あんた、一言多い!!」

「この人、李歩さんの彼氏さんっすか?」

「何言ってんの、違うわよ。社はね、可愛いくて小柄で私の大事な大事な藍美を……泣かせては悩ませる奴でさ」

顔は笑ってるけど、どす黒いオーラが見えるのは俺だけか?

拳に血管浮いてるあたりがマジだな。

「社さん?あんた……明日が来るといいっすね」

「それ、俺が一番思ってっから」

「李歩さん。俺、行きますね。社さん、御愁傷様~」

「お、おい!!」

「社。私をあんたん家まで連れてきなさい」

キリギリと俺の肩に野波の指が食い込んでいく。

「…は、はい」

俺は野波を荷台に乗せて、猛ダッシュでペダルこいで家に連れて行った。

とりあえず部屋に押し込んで、珈琲とお菓子の催促されたから台所まで取りに行った。

「あいつ、こえーわ」

こんな真夏に自転車こぐから汗だくになるし、喉の張り付きが気持ち悪い。

とりあえず冷蔵庫から500のペットボトルを取り出してがぶ飲みした。

俺は母さんが特別な日に食べるチョコと珈琲を入れて、自室に向かった。