コンビニの前で野波が男に絡まれてるのが遠巻きに見えて、俺は急いで自転車をこいだ。

「野波!!」

「あんた遅いよ。何やってんの」

「悪い。それより俺のツレに何か用か?」

茶髪のチャラそうな男を睨み付けると

「こんちわっす。俺、李歩さんの後輩っす」

満面の笑みで返された。

「え……後輩?」

「何、あんた私がナンパでもされてると思ったの?」

「……そうだよ、悪りぃかよ」

「でも、助けようとしてくれたんだぁ~」

野波はニヤニヤして、俺の頭をガシガシとなで回してきた。