しばらく黙っていると先輩は心配して「どうしたの??何かされたの??」って聞いてくれた。
「…先輩、誤解です。私は社に言い寄ってなんかない。…社は私の笑顔が好きだからって、気持ちもいっぱいもらって…。…だからそんな言葉で片付けられたくないです…社は安未果先輩のものじゃない…」
「…」
「安未果先輩に浩輔は私のだから離れないと浩輔に何するかわからないよって言われて。社にひどい事まで言って突き放したのに…」
先輩の腕の中で私は社の事を話してる。
…これさえも先輩は許してくれるんだろうか。
「松下さんが浩輔君を大事にしてる気持ちはわかったよ。…僕は…浩輔君を岬から取り返せばいいんだね??」
頷いてもいいのか迷うけど、この悩ましくて身動きができない関係から抜け出したい。
安未果先輩の側にいつまでも社を置いておきたくない。
私はコクっと頷いた。
酷い事をあなたにお願いしているのはわかってる。
けど、もう助けて欲しい。
「大丈夫。僕に任せて」
先輩は自分の体から私を離した。

