「松下さん、何でこんなとこでかくれんぼしてるの??」

覗き込むような体勢をとり、いつもと変わらない笑顔の先輩。

「…秘密です」

「秘密なら仕方ないね。でも、ここから出てきて欲しいな」

ここから出てしまえば先輩との関係が本当に終わる。

今までは私を守る為に人前で私とは係わろうとはしなかった先輩がそれをしてるって事は守る必要性がなくなったって事だよね。

忘れてくださいなんて言ったのは自分だけど、忘れて欲しくない。

わがままで、欲深い私。

先輩はしゃがんで私と同じ目線になった。

「松下さん、そんな泣きそうな顔をしないで」

困った笑顔で私の頭をポンポンと2度優しく手を置いた。

「ここでは話にくいからいったんここから出ようか」

「…はい」

場所を相談室に変えて、話す事になった。