今日は昼までで、これで下校となる。

…李歩と今日会ってない。

1時間目から始業式で体育館まで移動して、夏休みの宿題提したり何かと忙しかったから私からも行けなかったし、李歩も来れなかったと思うんだけど。

よし…李歩のクラスまで行ってみよう。

鞄の中に筆記用具、プリントを入れていると廊下から「キャ〜!!」と、女子の黄色い声が飛び交っているのが聞こえてきた。

何事だと思い教室から出てみると、真尋先輩が女子に囲まれながらもこっちに向かって歩いて来る。

忘れてくださいって言った手前、顔を合わしづらくて教室に逃げ込んだ。

先輩、一年の棟に何の用事があるんだろう。

通り過ぎるのを待ったけど、このクラスの前で足が止まったみたい。

黄色い声がここで止まったから見ないでもわかる。

私は教壇の下に隠れて、様子を伺う事にした。

「松下さん、居るかな??」

教室に残っていた男子に私が居るかどうか確認しているのをこの場所で聞いているのも変な感じだけど、素直に答えるなよ男子!!

心の中で必死に願うもそれは届かず、居場所をバラされた。