「ここはね季節によっていろんな花が咲くんだよ。いろんな花を松下さんにみせてあげたいなぁ」

先輩は遠くの方を見つめながら、はにかんでいた。

私も先輩と一緒にいろんな花、見たいです。

思わず出てしまいそうだった言葉を飲み込んだ。

望んだらその先に甘えてしまいそうだから。

「先輩。連れて来てくれてありがとうございます!!」

「…うん。…松下さん、やっと笑ったね」

「え…」

先輩は心配そうな笑みを浮かべて私の顔を見ている。

私、笑ってなかった??

先輩と一緒にいるのに、そんな事とないと思うんだけど。

「僕は松下さんの笑顔が大好きだから」

私も先輩の笑顔、大好き。

初めて会った時にどんなに救われたかわからない。