「あれはここ入ってすぐ、あいつから声かけてきてより戻そうって言ってきてさ。何度も断ってんだけど、こりずに誘ってくるんだよ。でも、ここまで来て誘われるのは初めてだ。いつもは携帯に連絡が入る」
「なるほどね」と李歩は頷き「その先輩焦ってるんだよ、きっと」社を見た。
「焦る??」
「……あんたが藍実に向ける顔つきが変わったから。先輩の事だからあんたの事見てたり、周りに聞いたりしてるんだよ。だから、藍実にとられる前にここで手に入れないと!!ってね」
「俺の中では終わってる。あいつが俺を好きでも俺には関係ない」
「あんた、バカでしょ!!よく考えてみなよ、付き合ってもないのに私のだからって言ってる女の近くに藍実を置いとけるわけないでしょうが!!」
押し黙る社に「言わないでおいたけど、少し前に藍実、あんたに近づくなって、女3人に絡まれたんだよ!!それでも関係ないって言えんの!?」と怒鳴りつけた。
「は!?何で言わなかったんだよ!!何もされなかったか??」
「私が話つけといたから藍実は大丈夫だったよ」
「そうか……悪い。お前に迷惑かけてたんだな」
「別に迷惑じゃないけど、あんた今日本当に先輩と帰んの??」
「無視して帰りてぇ」
大きなため息を吐きだし、面倒くさい事になったと表情に出ていた。

