「それはない!」


私は自分が【性同一性障害】ではないと言いきれる自信があった。

まず一つ。
中学に入ってオシャレが少し好きになった事。

スカートは着ないが、女の子らしい服装を、遠出するときは着るようになった。

二つ目は、ちゃんと身だしなみをするようになった。

小学生までは朝起きて顔を洗うなんてめんどくさい事しなかったが、今はたまに顔だって洗うし、たまに化粧水等で手入れをしている。
おかげで、生まれてからニキビ0をキープだ。


そして三つ目。
これが一番大事

『私はレズじゃない』と言う事だ。
【性同一性障害】だとしたらまず、男に興味がないはずだ。

私の場合、好きになる&恋愛対象は女じゃなくて男。

だから私が【性同一性障害】だと言う事はありえない。


「でもさ、咲なら好きになったのが女の子でも、いけるでしょ」


「好きになったら性別なんと関係なし!」


もし、女の子を好きになったらレズでもなんでもドンとこいだ。

「じゃあ、将来男になるの?」


苦笑混じりにちえちゃんが聞いてくる。そう聞かれると返答に困ってしまう。

「やっぱさ、相手によるじゃん?」


こちらも苦笑混じりに答えるとちえちゃんは一つ溜め息をついた

「アンタはカッコいい人より可愛い子のが好きでしょ?」


「当たり前!だって、守られたいより守りたいもん!」